『キングスマン:ゴールデン・サークル』が公開してふと思う、新しいスパイの形について考えてみた

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スパイが格好いいだけの時代は終わった!格好良くてかつハチャメチャなスパイ映画

有名なスパイ映画といえば、ジェームズ・ボンドやジェイソン・ボーンなど、スマートで格好良くタフガイというような、男も女も虜にしてしまうような主人公がシリアスに謎と悪に迫るというイメージが強かったです。あれらの作品に出会うまでは。。『キングスマン:ゴールデン・サークル』が1月5日に公開して、前作同様ハチャメチャが押し寄せてくる戦いを見せてくれたので、今回は格好良いだけじゃないスパイ映画を紹介していきたいと思います。

スパイ映画の歴史を覆した!?というか、世のスパイ映画に喧嘩を売った?衝撃を残したスパイ映画『キングスマン』

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『マナーが人間をつくる』という名言を残した前作『キングスマン』。
そのハチャメチャぶりは最後に全てを持って行ってしまった。ネタバレになるので深くは言えないけれど、この作品を観た人は「威風堂々」を聞くとこの映画しか思い出せなくなります(笑)。
Cook DoのCMでも、「あたしンち」でも、もちろんエルガーでもなく、この『キングスマン』という映画が、歴史を塗り替えたといっても過言ではないでしょう。
とはいえそこで全てを持って行ってしまったとはいえ、それまでも素晴らしき映画であることは間違いありません。
だらけた生活をしていた青年エグジーが、スパイ組織「キングスマン」で超一流のスパイとして、そして紳士として成長していく物語。かつてエグジーの父・リーは「キングスマン」のスパイ候補生で、17年前に殉職してしまっていたのですが、その時の仲間で、リーに命を救われたハリー・ハートがエグジーを「キングスマン」候補生として育てていきます。
物語の大筋は、ベタな成長物語ですが、そのアクションシーンは迫力満点!パブでのチンピラ相手のファイトシーンは本当に必見。見た後は絶対にちょっと良い傘が欲しくなります。

世界で三番目に稼ぐ女優、メリッサ・マッカーシーの、ハチャメチャおばちゃんスパイ映画!『SPY/スパイ』

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メリッサ・マッカーシーという女優をご存知でしょうか?
2015年に世界で三番目に稼ぐ女優として話題となりました。近年では『ゴーストバスターズ』にも出演していましたが絶世の美女ではありません。ふくよかな体型のおばちゃんです。
しかし、どんなに美しい外見を持った女優さんにも無い、独特の魅力があります。それは、そのまんまのおばちゃん感。僕が彼女と初めて出会った作品『SPY/スパイ』でも、そのおばちゃん感が全面に出ています。普通は最新スパイアイテムを手にいれたらニヤリとしつつ颯爽と使いこなすのがスパイのあるべき姿にもかかわらず、このおばちゃんはキャッキャしながらテンションが上がるばかりです。
しかもこの映画、本当の意味の二枚目は出てきません。一番格好良いのは、おばちゃんです!ジュード・ロウもジェイソン・ステイサムも出てくるのに、完全に三枚目。ジュード・ロウはすごくデキる、メリッサが片思いするようなスパイかと思いきや序盤でまさかの死を迎えます。
ジェイソン・ステイサムも『トランスポーター』などで見せたクールな役を完璧に忘れさせる良い意味での空回り感。
何をしても失敗するダメダメスパイを絶妙に演じています。

新しく越してきたお隣さんがスパイ夫婦!?イケメン&セクシーなスパイ夫婦と平凡夫婦のドタバタスパイ映画『Mr.&Mrs. スパイ』

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TSUTAYAで何を借りようかとブラブラしている時にふと出会った一品。
パッケージを見た時に「あれ、このヒゲ面、どこかで見たことがある」と思って借りて観てみると、そのヒゲ面こそが『ハングオーバー!』シリーズのクレイジーな弟役のザック・ガリフィアナキスでした。これは期待できるかもと思って観進めていくと、『ワンダーウーマン』などで話題沸騰中のガル・ガドットも出ている!とキャストの魅力でドンドンはまっていってしまいました。
前半は隣に越してきた何から何まで完璧なティムとナタリー夫婦を怪しみストーキングする平凡なジェフとカレンの夫婦の、なんちゃってスパイ活動がほんわかしていましたが、お隣さんがガチのスパイだと判明してからは、それまで大して魅力的でもなかった普通の奥さんのカレンが、どんどん格好良くなっていくというテンポの良さと、それに比例して真面目なだけの夫・ジェフのダメ男っぷりが笑えます。
とはいえ、見所は何といってもガル・ガドットの美しいキレキレアクション!そこに平凡な、どちらかというとぼてっとした体型の夫婦が加わることで、良い感じのスパイアクションコメディに仕上がりました。

急展開は健在!『キングスマン:ゴールデン・サークル』は是非ともスクリーンで!懐かしい顔にも再会出来る!

前作で師匠ハリー・ハートを失いつつも、世界を救い、スウェーデン王女の彼女もできたエグジーは、キングスマンとしてハリー・ハートのコードネーム「ガラハット」を受け継ぎました。
冒頭で紳士となったエグジーが帰りの車に乗り込もうとしたら急に怪しい男が襲いかかってくる!という急な展開に。
この襲ってきた相手は、「キングスマン」候補生時代に下流階級出身のエグジーを見下していた上流階級出身の嫌な奴チャーリーでした。
言われないと同一人物とは思えないような風貌の変化と、そういや前作の最後でこいつも「威風堂々」してなかったっけ?という疑問が残りつつ、映画は超絶ハードなカーチェイスへと流れ込みます。
ここで改めて思うのが、この手の映画は映画館で見ないとダメ、絶対。カメラアングルがグルングルン回って、展開はとんでもないスピードで、一歩間違えれば酔うんじゃないか?と思うような迫力満点のカーアクションは、一気に観客を映画の世界に引き込みます。
そんなこんなで、またトラブルに巻き込まれていくスパイ組織「キングスマン」のエグジーですが、何とその「キングスマン」の他の拠点が全て爆破されます!
もうこの主要な人物をバッサリ殺していく感じが、近年のちょっと大人向けの少年漫画と同じくで、潔くて素敵です。「テラフォーマーズ」や「神様の言うとおり」「進撃の巨人」など、躊躇なく殺していきますからね。その意外性は本作にも通じる物があると思います。
そして、前作で死んだとされていたハリー・ハートが生きていた!というこれまた衝撃の事実。
この事実自体は予告編が出た時にすでに衝撃を受けているので、本編を観た時はそれほどびっくりしなかったのですが、今回の『ゴールデン・サークル』で最初にハリー・ハートを演じるコリン・ファースが出てきた時の表情と、物語が進んで行ってからの表情が全くの別人で、役者という生き物の凄さを改めて感じさせられます。そういえば、ゲイリー・オールドマンの『裏切りのサーカス』にもコリン・ファースはマーク・ストロングと一緒に出ていて、そこでもコリン・ファースはテイラーと呼ばれていましたね。

『キングスマン:ゴールデン・サークル』の見所はおっさん達の熱唱シーン

本作には、アメリカ版「キングスマン」ともいうべき「ステイツマン」なども出てきますが、どちらかというと見所はエルトン・ジョンが本人役で出てきているということ。実はエルトン・ジョンは前作にも出演オファーが来ていたけれど、それを断ってしまい、出来上がった作品を観て死ぬほど後悔したんだとか。
それで本作ではノリノリで出演しているという訳なんですね。本作では阿呆みたいに派手な衣装で、すごく楽しそうに映画を盛り上げています。
そして、本作での一番はマーリン役のマーク・ストロングです!前作でも厳しいながらも信頼できる教官を演じていたマーク・ストロングでしたが、本作では新しい表情がたくさん見れて、ハゲ好きでなくとも憧れるようなおじ様でした!そんな彼の素晴らしい歌声が、観る者の心を掴んで離しません。

代官山蔦屋書店では『キングスマン:ゴールデン・サークル』の特別展示も!

2018年1月19日(日)までの期間限定で、東京の代官山蔦屋書店で「-Manners maketh man- Style  of  Kingsman:The Golden Circle」フェアが実施中です!作中に出てきた衣装や、小物、映画のポスターなどが並び、観てから行くとテンションがめちゃくちゃ上がります!ちなみにその展示の写メを撮って、SNSに投稿すると、特製のステッカーをもらえます。数量限定とかはあるかもなので、興味があれば是非とも行ってみてください!

image: DAIKANYAMA T-SITE

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