Amazon prime videoが贈る、珠玉のショートラブストーリーズ 『モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜』を是非観て欲しい 第1話〜第4話


image: Amazon.co.jp: モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~ シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video

ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラムが原作

Amazon prime videoで配信中の海外ドラマ『モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜』がとてもとても素敵な物語だったので、紹介したいと思います。これはニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム「Modern Love」に実際に投稿されたエッセイに基づいた、愛の喜びや苦悩を描いた物語です。

監督とキャストが超豪華!

監督は映画『はじまりのうた』や『シング・ストリート 未来へのうた』のジョン・カーニー監督他が担当しており、それだけでも面白いことの保証は取れています。さらにキャストもアン・ハサウェイやデヴ・パテル、アンディ・ガルシアなど豪華な面々が出演しているところも見どころです!

1話30分で観やすいショートストーリーズ

1話あたり30分程度の短いドラマで全8 話と短め。また1話完結のオムニバス形式なお話で、まだシーズン1だけなので、「海外ドラマはシーズンが長くて疲れるからあまり見たくない」という人にも気軽に観てもらえます。

各話のあらすじ&見どころ紹介
第1話「私の特別なドアマン」

ニューヨークのとあるマンションに住む独身女性のマギーとそのドアマンであるグズミンの物語。
グズミンはマギーが幼少の頃からずっと見守ってきた、父親のような親友のような存在だった。本の書評をしている彼女は、様々な男性との出会いはあるものの、なかなか成就するところまでいかない。そしてそれを確実に予言するグズミン。マギーが彼に新しい恋人候補を紹介しても、「あの男は誠実ではない」「あの男には、あなたに見合うだけの知性がない」などケチをつけてばかり。そして、そのどれもがドンピシャで当たっている。そうしているうちに、彼女の身にある変化が起こり。。。果たしてグズミンが納得するような恋人は現れるのか。

〜感想と見どころ〜
ドラマの第1話として、最高の物語でした。このドラマ全体の空気感というか雰囲気を見事に表していて、しかもオムニバスの1作品としてとても面白い。
ヒロインの女性とドアマンの関係が、恋愛のようなものではなく、ただの友達のような関係で、でもとても特別な信頼しきっている関係で、そのふたりのやり取りが観ていてとても幸せな気分になりました。
堅そうな性格のグズミンが時折見せるユーモアも見どころだけれども、マギーの服装や所作が超可愛い。絶世の美女という訳ではないのだけれど可愛らしい女性。観ていて飽きないふたりです。

第2話「恋のキューピッドは世話好き記者」

恋愛マッチングサイトを運営するジョシュアは中年女性記者のジュリーからインタビューを受けていた。インタビューの最後の質問にジュリーは「あなたは誰かを愛したことはある?」という質問を投げかける。初めての質問に一瞬戸惑うジョシュアだったが、最後に「あるよ」と答え、それまでの人生で最も愛した女性との日々について語り出した。誰もが経験したことのあるような、衝撃的な出会いと甘い恋の日々、そして苦い結末を聞いた時、記者のジュリーは人生の先輩として、また同じ後悔をした経験のある女性としてジョシュアに語りかける。

〜感想と見どころ〜
恋愛って本当に難しいなーと思わせるお話でした。
ほんの少しの行き違いで全てが無になる瞬間や、それを引きずりながらも出会ってしまう次の人。それでも忘れられない本当に愛した人。もしもあの時、ほんの少しだけ冷静になっていたら。。。誰もが経験したことがあるであろう、恋愛の後悔がほろ苦く、かつ観た後は爽やかに描かれていました。
自身も冷めきった結婚生活を送っているジュリーの身に起こる一夜だけの奇跡は、酸いも甘いも内包した「大人の関係」としてビターに描かれつつ、彼女の下した決断は、NYで生きる女性の強さの象徴のようでした。

第3話「ありのままの私を受け入れて」

早朝のスーパーで素敵な出会いを探すレキシー。酔っ払いもジャンキーもいなくて、真面目な生活を送っている人たちが集まるのが朝のスーパーだからだ。そこで若いイケメンと意気投合して朝食を一緒にとることに。木曜日にはディナーデートの約束も取り付けて、最高にハッピーな気分で1日が始まる。職場に行ってもハッピーな気分は変わらず、休みが多い彼女を心配する同僚にも、元気な様子で返すレキシーだったが、仕事を終えて家に帰ると突如として悪夢が彼女を襲う。
彼女には誰にも言えない、秘密があった。

〜感想と見どころ〜
この第3話は恋愛の愛というよりも友情の愛の方がしっくりくる物語でした。
ミュージカルテイストな表現方法が楽しい、甘いラブストーリーかと思いきや、レキシーの抱える秘密の重さがとても衝撃的なお話でした。途中から薄々感じてはいたけれど、単に出会いに対するハッピーを表しているだけではないことをさらりと歌い上げられた時、観ている側は「そうだったのか。。」と言葉を失います。
そんなレキシーを演じるアン・ハサウェイの演技力!元々綺麗だし『プラダを着た悪魔』や『マイ・インターン』など、ハッピーな気持ちになれる作品で割と好きでしたが、本作は純粋にその演技力がとても光っていました。それともうひとり、このお話でとても重要なのが、同僚女性のシルヴィア。レキシーの告白を聞いた彼女の発した言葉や行動には、本当に涙腺崩壊で涙が止まりませんでした。

第4話「夫婦という名のラリーゲーム」

倦怠期を迎えた、ある夫婦の物語。俳優のデニスとその妻サラは一緒にカウンセリングに通っている。共通の趣味もなく、子育てが終わると離れ離れになるしかないのかと危惧しているサラに対し、彼女の感情には無頓着なデニス。
カウンセラーの勧めで一緒にできる趣味としてテニスを始めるふたりだったが、なかなかラリーも続かずにいた。さらにデニスは自分勝手なプレーを始め出し、ついにはサラの我慢も限界に達する。

〜感想と見どころ〜
僕は結婚しているわけではないので、夫婦の倦怠期というものが実際にどういうものなのかは想像するしかないのですが、「相手がヘマをするのを待っている自分」がいて、そんな相手に「あなたと一緒にいる私が嫌い」というサラの気持ちがとてもストレートで心に刺さりました。「あなたのことが嫌い」というのではなく「あなたと一緒にいる私が嫌い」というのが、本当はデニスのことを愛しているからこそ、彼の些細な嫌な部分を許せない自分自身が嫌で仕方ないのでしょうね。
結局のところ、元は他人の夫婦が上手くいくのかどうかなんて、お互いをどれだけ尊重しあえるかによるのだと思います。ちょっとしたことに「ありがとう」を伝えたり、SNSではなく面と向かって「いいね!」ということの大切さを気付かせてくれる、そんなお話でした。

第5話〜第8話のあらすじ&感想についてはこちらから

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