『オーイ!とんぼ』天才ゴルファーの成長物語
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『オーイ!とんぼ』天才ゴルファーの成長物語
『オーイ!とんぼ』は、鹿児島県のトカラ列島で育った天才ゴルフ少女、大井とんぼが競技ゴルフの世界で奮闘する姿を描いた感動のスポーツ漫画です。物語は、過去の“事件”から逃れるように移り住んだ元プロゴルファーの五十嵐と、彼女のゴルフの才能に出会い、導いていくストーリーです。今回はその物語を時系列で追い、見どころを紹介します。
“島のゴルフ”で見せた天才的な才能
五十嵐がトカラ列島に移住したのは、ゴルフの“事件”によって日本のゴルフ界から追放された後。孤島で新たな生活を始めた彼の前に現れたのが、自由奔放で天才的なゴルフの才能を持つ少女、大井とんぼです。とんぼは、父親が遺した1本の3番アイアンだけを使って、島のゴルフコースで自由にショットを打ちこなしていました。そのプレースタイルは型破りで、五十嵐はその才能に驚愕します。
島を離れる決意と新たな出発
とんぼの才能を見抜いた五十嵐は、彼女を競技ゴルフの世界に引き込むことを決意します。しかし、島での生活に深く根ざしていたとんぼは、外の世界に対して強い恐れを抱いていました。五十嵐は、島外の世界を知らしめるため、九州ジュニアゴルフの優勝者である安谷屋つぶらを島に招きます。この出会いがきっかけで、とんぼはつぶらと共に島を離れ、熊本で新たなゴルフの道を歩み始めます。
九州女子選手権での圧倒的な初挑戦
島を出たとんぼは、初めて競技ゴルフの舞台「九州女子選手権」に挑戦します。自由なゴルフスタイルで臨んだ初日は、なんとトップに立つ結果に。しかし、2日目にはプレッシャーと戦い、最終的には九州女子選手権を制覇します。この初めての試合で、彼女はゴルフの世界で本物の才能を証明し、注目の的となります。
日本ジュニアゴルフ選手権でさらなる飛躍
その後、とんぼは日本ジュニアゴルフ選手権にも出場。九州ジュニア選手権での勝利を果たし、次なる大舞台へと駆け上がります。大会初日では11位タイからスタートしますが、2日目には見事トップに躍進。最終組で迎えた3日目には、つぶらに4打差をつけて圧勝し、優勝を果たします。この勝利は、とんぼのゴルフ人生を大きく変える瞬間となりました。
「トヨタジュニアゴルフワールドカップ」での国際戦
そして、世界に挑戦する時が来ます。とんぼはつぶらと共に、日本代表チームの一員として「トヨタジュニアゴルフワールドカップ」に出場します。世界各国から集まった強豪たちと戦う中で、最初はなかなかスコアを伸ばせなかったものの、タイのプリンと共にプレーをすることで新たな刺激を受け、次第に調子を取り戻します。3日目には、前半29の本大会記録を達成し、個人2位に浮上。最終日にはタイチームとの一進一退の攻防が繰り広げられますが、最終的には準優勝となり、世界の強者たちとの戦いで大きな成長を遂げます。
「軽井沢ゴルフレディス」プロの舞台での挑戦
とんぼが迎えた次のステージは、プロゴルファーとの戦いの舞台「軽井沢ゴルフレディス」。プロたちの激しい戦いの中、とんぼはアマチュアとして異例の活躍を見せます。初日には単独首位に立ち、最終的にはアマチュアながらプロたちを抑えて優勝を飾ります。この結果は、彼女が競技ゴルフの世界でも通用することを証明する重要な一歩となりました。
コミック紹介
第1巻
とある“事件”からプロゴルファーの資格を剥奪され、世間から逃げるように鹿児島県「トカラ列島」に移り住んだ五十嵐。“日本最後の秘境”とも言われる島で出会ったのは、天真爛漫な女の子、とんぼだった。ところが、“秘境”であるはずの島に手作りのゴルフコースがあり、そこで日頃遊んでいるとんぼは、3番アイアン1本であらゆるショットを繰り出すという天才的なプレーを見せた! 五十嵐はその才能に驚愕するが、同時にとんぼが3番アイアンしか使わないことにも疑問を持つ。そこには、とんぼの心の奥深くに秘められた辛く悲しい過去が……。「週刊ゴルフダイジェスト」連載コミックの単行本化第1弾。
第2巻
“日本最後の秘境”と言われるトカラ列島で暮らし始めた五十嵐は、毎日が戸惑いの連続。生活もさることながら、類まれなとんぼのゴルフの才能にも驚きっぱなしとなる。そんな中、父親が遺してくれた3番アイアン以外のクラブを使うことを強く拒んでいたとんぼが、五十嵐の勧めでウェッジを初めて使うことに。みるみるうちに上達し、次第に自由自在にウェッジを操るようになるとんぼだが、五十嵐はとんぼのゴルフにどこか違和感を感じるようになる。五十嵐の違和感の正体とは何なのか? 「週刊ゴルフダイジェスト」連載コミックの単行本化第2弾。
第3巻
職を求めて辺境の地・トカラに移り住んだ元プロゴルファー五十嵐が出会った、類まれなゴルフの才能を持った少女、とんぼ。その才能を世に知らしめたい、とんぼに奥深いゴルフの世界を教えたい、と願う五十嵐は、とんぼを島から連れ出すことを策略するが、島の外の世界にトラウマを持つとんぼは頑なに拒否する。そこで五十嵐は、ある突拍子もない行動をとり、それがさらにとんぼに新たな出会いをもたらすのだった……。果たして五十嵐がとった行動とは? とんぼは島から出るのだろうか? 「週刊ゴルフダイジェスト」人気連載コミックの単行本化第3弾。
第4巻
トカラ島の外の世界を恐れ、島を出ることを頑なに拒否するとんぼに刺激を与えるため、五十嵐は看護師・洋子の姪で九州ジュニア優勝の腕前を持つ「つぶら」を島に招く。 初対面ながら意気投合した2人は、さっそく島のゴルフ場を回ることに。そのコースの過酷さに加え、自由奔放なとんぼのゴルフに驚くつぶらだったが、とんぼとは正反対に再現性の高いスウィングで正確にボールを運んでいく。それぞれ相手のプレーに刺激を受けつつも、次第にライバル心が芽生える二人。果たして“対決”の行方は?「週刊ゴルフダイジェスト」人気連載コミックの単行本化第4弾。
第5巻
つぶらから贈られた5番ウッドによって、様々な新しいゴルフの“技”を学んでいくとんぼ。そんな中、五十嵐は偶然に島のゴルフコースの「設計図」を発見する。さらにその設計図には、これまでプレーしてきたコースの新たなラウンド法が隠されていた。さらに難度が増すそれらの設計は実に見事で、五十嵐は驚愕。別の島に移り住んでしまったという設計者「クタさん」に会いに行こうととんぼを誘う。クタさんとはどんな人物なのか。そして、クタさんに会うことがとんぼにとって大きな成長になると確信する五十嵐の思惑は果たして……。「週刊ゴルフダイジェスト」人気連載コミックの単行本化第5弾。
第6巻
とんぼが住む火乃島のコースを設計した「クタさん」なる人物に会うため、同じトカラ列島の悪礫島を訪れたとんぼと五十嵐。世俗を離れ、ひとり山奥で暮らすクタさんは、意外にも人当たりの良いしゃべり好きの爺さんだった。2人はさっそく、クタさんが悪礫島に造ったたった1ホールのコースを回らせてもらうことに。しかしそこは、景観の美しさとは裏腹に、攻略が難しいモンスターホールだった! どのように攻めようか考えあぐねる五十嵐に対して、とんぼは、クタさんも驚く天性の技術を次々と繰り出し、果敢にアタックしていく。そんなとんぼにクタさんは、これからの“進路”について、奥深いアドバイスを贈るのだった……。「週刊ゴルフダイジェスト」人気連載コミックの単行本化第6弾。
第7巻
悪礫島から戻ったとんぼは、クタさんが造ったモンスターコースでのプレー、そしてクタさん本人との語らいの中から「いろんな世界を見てみたい」という思いが芽生える。これからの人生について悩み、ついに中学を卒業したら島を出る決心をするのだった。その想いを知った島の住民たちは一様に驚き、周囲に“影響”も及ぼすが、「とんぼは『島の子供』」との意識から、とんぼの成長を願って温かく送り出すことに。五十嵐も本土での生活基盤を整えるべく奔走。ついに旅立ちの日がやってくる……。物語の序盤『トカラ編』を締めくくる感動の展開!「週刊ゴルフダイジェスト」人気連載コミックの単行本化第7弾。