Huluドラマ「ミス・シャーロック」の第1話〜5話までの感想「新しいシャーロックの物語だ」


image: Hulu×HBO Asia共同製作ドラマ「ミス・シャーロック/Miss Sherlock」公式サイト|フールー

竹内結子が女性版シャーロック・ホームズに挑んだ「ミス・シャーロック」

Huluが「セックス・アンド・ザ・シティ」や「ゲーム・オブ・スローンズ」などで知られるHBOのアジア支部とタッグを組んだという、女性版シャーロック・ホームズの物語「ミス・シャーロック」。Huluで配信されてから1ヶ月、現在全8話のうちの5話までが配信されて、物語も後半に突入しています。
個人的にはBBC版の「SHERLOCK」が大好きなので、初めてこのドラマのことを聞いたときは「日本でシャーロック・ホームズとか(笑)。しかも女性版にしたらいいと思ってんじゃないのか?」と、否定的に捉えていました。

想像をはるかに超えるクオリティ
「映画かよ」と思わせる映像とこだわりが感じられるセット

ここで謝ります。普通に面白いです「ミス・シャーロック」!バカにしていてすみませんでした。まず、映像というかいろんなところにお金かけてるのが凄く伝わってきます。お金をかければ良いという訳ではないけれど「これは映画か?」と思わせるような映像とか、この辺とかこだわってるんだろうなーと思わせるようなセットに驚かされました。第1話の頭から、映画のような雰囲気を感じさせられましたし、シャーロックの下宿先の221Bの部屋もいろんな小物が置いていて、原作ファンなら観てて楽しいんだろうなーと思いつつ、そこまでのマニアではないから雰囲気だけ味わってます。

竹内結子さんはきちんとシャーロックでした

BBCのカンバーバッチこそがシャーロックだと思っていたので、竹内結子がシャーロックを演じると聞いて、「確かに竹内結子なら綺麗だし演技も上手いし良いと思うけど、大丈夫かな」と思ったけれど、竹内結子さんもきちんとシャーロックになっていました!
もちろん男女の差はあれど、早口でまくし立てたり、人のことを考えない自己中だったりするのはこれまでのシャーロック同様ですが、いたずらっぽく笑う表情なんかはとても可愛らしく、カンバーバッチやロバート・ダウニーJr.にはない魅力を携えたシャーロックになっていました。あと彼女のブラコンっぽい雰囲気の一挙一動も可愛らしさが爆発しています。


キャラクター紹介

そろそろ他のキャストとか各話のあらすじといった作品情報を紹介しましょう。

まず、シャーロックは竹内結子さん。美しい!というか可愛いです!友達になりたいかと言われると悩みますが、あんな妹ならいても良いかなと思います!

続いてシャーロックの相棒といえばワトソンですが、本作ではこちらも女性の和都さん。貫地谷しほりさんが演じていて、おとぼけキャラというかギャグ要素をしっかり演じつつ、シリアスなシーンもやっていたりと、この人こんなに上手い女優さんだったのかと改めて知らされました。

レストレード警部は礼紋警部と言う名前で、滝藤賢一さんが演じています。シャーロックもそうですが、この礼紋警部も見た感じ凄くオシャレで、警察がこんなオシャレな感じで良いのか?と思いつつイギリス感出してるのかなとも思ったりします。何でもかんでも人任せ、というかシャーロック頼みと部下任せだけど、嫌な感じはしないのが素敵なおじさんという感じでした。

その礼紋警部の部下の柴田刑事は中村倫也さんが演じています。この人本当にいろんな役演じるなーと感心しました。というか礼紋とか和都とか変わった名前ばっかりなのに、この人だけ柴田なのかと(笑)この柴田が今の所一番のお気に入りのキャラクターです。多分アドリブなんだろうなと思われるような、シャーロックや礼紋警部とのやり取りが毎回毎回笑えてきます。

竹内結子さん演じるシャーロックを妹に持つ、羨ましい兄のマイクロフトこと双葉健人お兄ちゃん役は、小澤征悦さん。あんまり多く出てくる訳ではないので何とも言えないですが、シャーロックの兄にしては常識人でした。

シャーロックと和都さんの下宿先の大家さんのハドソン夫人を演じるのは伊藤蘭さんで波多野さんという役名。多分、作中で一番女子力が高い人(笑)。ちょっとかまってちゃん的な雰囲気もあれど、シャーロックや和都さんの良き理解者という感じです。

斉藤由貴さんが、和都さんのカウンセラーみたいな役でちょいちょい出てきていますが、BBC版のワトソンのカウンセラーってすぐにいなくなったような気がするけど、彼女はまだ出てくるのかな。

第4話で大谷亮平さんが戦場カメラマンの守谷透という役で登場しますが、モリヤトオルって名前が、原作のシャーロックの宿敵のモリアーティ教授なんじゃね?と既に名前でネタバレされてる感じがしていますが、和都さんといい雰囲気です。

各話の簡単なあらすじと感想

Episode1「最初の事件」

医療ボランティア先のシリアから帰ってきた和都が、空港で迎えに来ていた恩師の先生と感動の再会を果たすも、次の瞬間にその先生のお腹が爆発し先生は死んでしまう。突然のことに驚く和都は、証人として警察署に連れて行かれ、そこで自称・捜査コンサルタントの変人シャーロックと知り合う。
瞬時に和都がシリア帰りの医者であることを見抜いた彼女と共に和都は、恩師が死んだ事件の捜査に乗り出す。

感想

先ほど書きましたが、映画のような冒頭でした。飛行機に乗っている和都から物語が始まるのですが、これから物語がスタートする!という期待が掻き立てられるような始まり方でした。

Episode2「ひげの幸子像の謎」

シャーロックたちの下宿先の大家の波多野さんの友達の舞原夫人が、とある美術館に貸し出した絵画「幸子像」に立派なひげが落書きされる事件が発生!犯人は逃走中に車にはねられ意識不明の重体に陥る。しかも犯人は身元がわかるものを何も持っておらず、動機も何もわからない。そんな中、舞原夫人に「幸子像」を売って欲しいと持ちかけた画廊のオーナーがビルの上から転落死する事件が起きていて。。

感想

探偵ものらしい事件のトリックと、謎解きが楽しめる物語でした。「幸子像」にひげが書かれた理由も、画廊のオーナーの死の真相も、探偵ドラマかくありき、というようなエピソードでした。第1話よりも事件のスケールは落ちるけれど、全体的に第1話よりも面白かったです!何よりシャーロックと柴田刑事のやり取りが素敵すぎました(笑)

Episode3「ヘッドハンターの素顔」

シャーロックと和都の元に、大手製薬会社の「モーソン製薬」への転職をオファーしてきたヘッドハンターの椎名亜里沙に研究論文を提出したら、急に連絡がつかなくなったので探して欲しいという依頼が舞い込んできた。丁度その頃、「モーソン製薬」の研究者の綿貫博士が頭に高圧電流を流され、廃人になった状態で発見される。ふたつの事件が繋がっていると気付いたシャーロックは椎名亜里沙の妹の由麻に事情を聞いて、亜里沙が事件の鍵を握っていると疑い始める。

感想

シャーロックのシャーロックっぽい部分が前面に出てきた回でした。人のこと(特に和都さん)を考えない自分勝手なところや、難事件大好きなところ、謎解きの時に早口で独り言を言いながら頭を回転させていくところなど、竹内結子さんの演じるシャーロックがシャーロックっぽさを一番発揮している回だと思います。

Episode4「武蔵野ヶ丘のヴァンパイア」

和都さんはバイトしている料理屋で偶然、幼馴染のお兄ちゃん・若杉亮太と再会する。若杉に元気がないことを感じた和都さんが話を聞くと、彼の妻が突如、生まれたばかりの我が子の生き血を吸い出したという。幼馴染のお兄ちゃんのためと、和都さんは面倒臭がるシャーロックを連れて事件解決に乗り出す。

感想

Huluが遊び倒しにかかってきた、ギャグ満載の回でした!トリックとかあまり印象に残ってないのですが、ここらで一息つきましょうか的な、小ネタを挟んでくる感じのエピソードでした。今回のゲスト出演の安達祐実さんは娘の生き血を吸う母親役でしたが、美しさと恐ろしさが兼ね備えられていて、相変わらず綺麗でした。

Episode5「消えた新婦」

礼紋警部から、披露宴の直前に花嫁が失踪した事件についての連絡を受けたシャーロック。消えた花嫁はモデルで新郎は有名なジュエリーデザイナー。シャーロックと和都さんは、誰にも見られずに結婚式場から姿を消した花嫁の行方を追う。しかし和都さんは、戦場でのトラウマからPTSDに悩まされていた。

感想

今回もシャーロックと柴田刑事のやり取りは光っていました(笑)。礼紋警部と柴田刑事のやり取りも素敵ですが、シャーロック&柴田のやり取りは、お互いをいがみ合ってるからか、よりコミカルになっています。
事件としてはそれ程大きいものでもないですが、和都さんが戦場での爆撃のフラッシュバックに襲われることから守谷とちょっと親密になり、物語全体が少しずつ動き出している感じがしてきました。

残り3話、物語がクライマックスへと動き出す

全8話のうち5話までが配信され、残り3話となりました。第6話の予告編でもその名前が出てきましたが、謎の組織?「マリス・ステラ」なるラスボスのようなものもチラホラ出てきて、物語全体が動き出しています。シャーロックと和都さんのコンビがどんな事件に直面していくのか、礼紋警部と柴田刑事はどんなやり取りで笑わせてくれるのか、今後にも期待していきたいと思います。

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