『iゾンビ』キュートでグロい新しいゾンビ・バトル・ミステリーにどハマり


image: iゾンビ|ワーナー・ブラザース



人間の脳を食べて事件を解決する斬新なドラマ『iゾンビ』

Netflixで何か面白いドラマだかアニメだかを探している時にたまたま目に止まったしろい顔の女の人のパッケージ。大した意味もなく、すごく興味を持ったわけでもなく、ただなんとなくページを開いてあらすじを読んでびっくり、「ゾンビになってしまったヒロインが、殺人事件の被害者の脳を食べてその人の記憶を覗き、事件を解決に導く」と言う。斬新というか荒唐無稽というか、よくもまあそんな設定が思い付いたなと感心しました。
ちょっと見た感じだと、そんなにホラーというわけでもないし、興味本位で第1話を観てみると、またもやびっくり、普通に面白かったです。1話完結で毎回事件を解決していく古畑任三郎形式のドラマですが、物語を通しての事件も進んでいくという、王道のミステリードラマの作り方に、ゾンビが主人公という斬新さがツボにはまってしまったので、本作の見所なんかを紹介していきたいと思います。

あらすじ

真面目で有能な将来有望のERの研修医リヴことオリヴィア・ムーア。ある日船上パーティに参加すると、突然パーティの参加者たちが凶暴化し、お互い殺し合いを始めた。凶暴化した参加者のひとりに腕を引っ掻かれながらも、なんとか逃げきったリヴだったが、目が覚めてから体の様子がおかしい。まず、肌が青白くなって生気がない。髪も白く色が抜けてしまい、脈のスピードも異常に遅い。そしてなにより、人間の脳が食べたい。。。自我を保つためには人間の脳を食べなくてはいけなくなった。リヴはゾンビになってしまったのだ。
家族にも親友にも、もちろん婚約者にも相談することの出来ないリヴは、医者の道を諦め、検視官として働くことに。そこなら、事件や事故で死んだ人間の脳が自動的に手に入るからだ。
そうして、人目を忍んで、死人の脳を食べていたリヴだが、職場のボスのラヴィに呆気なくばれてしまう。彼女の正体に興奮気味のオタク気質のラヴィは、彼女が元に戻るために協力してくれるという。しかし人間の脳を食べることには不思議な副作用がついていた。脳を食べた死者の記憶がフラッシュバックとして見えるようになったのだ。
死者の記憶を見る事で殺人事件の解決の助けになると思ったラヴィは、仕事熱心な刑事・クライヴに彼女のその“ヴィジョン”と名付けたフラッシュバックを霊媒の類だとでっち上げ、リヴは殺人事件の捜査に協力する事に。
こうしてゾンビ系女子は真面目な刑事と事件を解決しながら、ノリの良い検視官とともに元の体に戻れる可能性を探っていくのであった。

毎回変わるリヴの性格が可愛い

人間の脳を食べる事で起こる症状として、その人の記憶がヴィジョンとして見える事の他にもうひとつ、その人の性格がリヴに乗り憑るというものがあります。
ルーマニア人の脳を食べればルーマニア語も話せるようになり、ハッカーの脳を食べればゲーマーに、アル中の脳を食べれば酒飲みに、芸術家の脳を食べればこだわりが強くて絵が上手にと、その脳の持ち主の性格や能力、嗜好がリヴにも備わるようになるのです。毎回毎回様々な表情を見せるリヴの可愛さと、それが事件解決の糸口となるミステリーとしての物語はこのドラマを観ていて飽きさせないものにしています。いわば毎回いろんな人に変身するキューティーハニーみたいな感じでしょうか。変身の仕方は人間の脳を食べる事ですが。。
筆者的には、中国マフィアの脳を食べてカンフーが使えるようになった時のリヴのテンションの上がり方が可愛いと思いつつ、その後にしっかりとお披露目するカンフーアクションシーンが観れる第4話が特にキュートです。

一話完結と大きな事件

基本的には本作は一話完結形式で、毎回事件の犠牲者の脳を食べたリヴが、クライヴと一緒に事件の捜査をして解決していく物語ですが、その一方で大きな陰謀渦巻く事件も同時に進んでいます。
リヴだけではなく、他にも船上パーティから生き残りゾンビになった男・ブレインが、己の私利私欲のために裏で暗躍しており、さらにその悪事にリヴの元婚約者が巻き込まれていくのです。自分の体を元に戻す研究をしながら、日々の事件を解決しつつ、ブレインの悪事も追うという、ザ★王道ミステリーの形は、『名探偵コナン』にも通じるものがありますね。

魅力的なバイプレイヤーたち

『コナン』で言うところの阿笠博士ポジションのラヴィは、リヴの良き理解者です。実験が好きでリヴを元の人間に戻そうと研究をしつつ、事件解決のためにも協力するという、主人公の境遇を知っている仲間のポジションです。人が良く、ノリも良く、リヴが今度は誰の脳を食べてどんな性格になるのかをワクワクしている節があるのも面白くて、とても良いキャラをしています。

一方、警察のいわば目暮警部か小五郎のおっちゃん的なポジションに当たるクライヴは、彼女の正体を知りません。そもそもこのドラマで一番の常識人の彼は、ゾンビなどというものの存在は信じていません。仕事熱心で、いつも真面目に事件解決のために捜査に奔走している彼ですが、いろんな人の脳を食べるリヴには振り回されっぱなしです。妊婦の脳を食べて母性本能溢れる態度をとったり、チアリーダーをしている少女の脳を食べて明るく前向きな性格になったりしたかと思えば、社会病質者の殺し屋の脳を食べておかしくなったり、バカなティーンエイジャーの脳を食べて思慮浅い話し方をしたりと、彼女の豹変ぶりに驚きながらも、ヴィジョンを見て事件を解決に導く彼女を信頼しています。ちょっとおかしなバディという感じですね。

他にも悪のゾンビのブレインや、リヴの親友で美人の検事・ベイトン、イケメンの元婚約者のメイジャーなど、魅力溢れるキャラクターばかりなので、彼らにもぜひ注目してください。

『iゾンビ』シーズン1の登場人物は公式サイトは:こちら

グロいのだけは気を付けて!好きな人だけ観たら良い

このドラマは、奇抜な設定と、王道をいくストーリー展開と、超絶キュートなヒロインが素敵な、まぎれもなく面白いドラマです。それは断言できます。
が、しかし、全員が全員にオススメ出来るかと言うと、そうではありません。
以下に当てはまる人は、絶対に観ないでください。気分が悪くなると思いますし、絶対に楽しめません。
・まず大前提でゾンビ嫌いな人。これはゾンビのドラマです。観ないでください。
・グロいの嫌いな人。ヒロインが脳みそを色んな形で食べます。彼女の職業は検視官で色んな状態の死体が登場します。
・倫理的・道徳的に人間の脳を食べるということに拒否反応を起こす人。いくらフィクションでもNGな人はいると思います。無理に観る必要はありません。

以上の人たちは、このドラマを観ても不快になるだけなので、絶対に観ないでください。それ以外の人たちは、ものは試しで観てみてください。
合わなければ、また会いましょう。どハマりしたら、いらっしゃいませ(笑)



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