「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」シーズン6はみんなで重警備刑務所へ!昨日の友は今日の敵!?


image: オレンジ・イズ・ニュー・ブラック | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト




女子刑務所の日々を描いたNetflixオリジナルドラマの傑作

2013年からスタートし、最終のシーズン7までNetflixで配信中のアメリカのドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』。Netflixに加入しているなら、是非とも観て欲しいドラマのひとつです。
今回はシーズン6についてのあらすじ、登場人物、感想などを書いていきたいと思います。

※シーズン1〜5のネタバレなども含みますので、未見の方はご注意ください。

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シーズン6の物語
暴動が終わり、女囚たちはそれぞれ他の刑務所へと移される

シーズン5の最後、マリアが看守を逃したことにより、特殊部隊が突入して沈静化したリッチフィールド刑務所の暴動。シーズン6では、暴動により重警備刑務所へと移されたパイパーたちが描かれます。
重警備はそれまでいた軽警備以上のクセ者たちの巣窟。ブロックごとに区切られた刑務所内にはそれぞれにボスがいて、まさに刑務所内のギャング抗争の物語。個性豊かな新キャラたちに加え、古参キャラたちの新たな関係性などにも要注目です。ニッキーに匹敵する?程の新キャラのモテモテレズビアンがあのムッチリ美女を虜にしたり、ラテン系肝っ玉母ちゃんのグロリアが意外な人物と親密になったりと、見所は盛りだくさん!パイパーたちは無事この重警備を生き残ることが出来るのか!?

シーズン6の新たな登場人物たち

重警備刑務所は、バーブ率いるCブロックとキャロル率いるDブロック、そして中立で唯一の安全地帯と言われるフロリダという区域に分けられています。
ベージュの囚人服を着ているCブロックはドラッグの流通を握っているのに対し、ネイビーの囚人服のDブロックは、チーズの梱包などリッチな仕事を担当しています。
そしてピンクの囚人服の安全地帯フロリダに行けるのは、老人かLGBTQ、もしくは精神異常があると判断された囚人のみなのです。

Cブロック

バーブ
Cブロックのボス。
ヤク中の老婆で、妹のキャロルとは犬猿の仲。重警備内のドラッグの流通を牛耳っている。

ダディ
バーブの右腕で、外見も中身も超イケメンなレズビアン。軽警備の暴動の引き金を引いたダヤのことがお気に入り。バーブや手下から信頼されてはいるものの、色々と要求が多いのでうんざりしている節もある。

Dブロック

キャロル
Dブロックのボス。
メガネをかけた老婆で、姉のバーブとは犬猿の仲。普段は所内で仲間達とカードゲームで遊んでいるが、役に立たないと仲間でもすぐに見捨てる。

バディソン
キャロルの手下でパイパーに対して執拗に嫌がらせをする「ザ☆いじめっ子」。
負け犬臭がプンプンする三下なイメージがあるけれど、その分陰湿で敵に回すと厄介なタイプ。パイパーのことが嫌い。






共に暴動を乗り切り、共に捕まった女囚達にとって、それぞれ最も大切なもの

フリーダの隠れ家のプールで特殊部隊に制圧されて捕まったパイパー、アレックス、ニッキー、テイスティ、シンディ、スーザン、ブランカ、そしてレッド、フリーダ、グロリア。シーズン6は彼女達が隔離独房にぶち込まれているところから物語が始まります。
パイパーは相変わらずアレックスのことしか頭になく、部隊の突入以来、彼女の姿が見えないことを心配して、ずっと彼女の行方を聞いて回っています。
シンディとスーザンは運良く部隊の突入時に物陰に隠れたものの、そこで部隊がピスカテラを殺してしまっていたことと、その罪を自分たちの誰かになすりつけようとしているところを目撃し、その秘密を抱えたまま不安に押しつぶされそうになっていました。
レッドは相変わらず家族(ニッキーやパイパーら女囚仲間)の繋がりでこの危機を脱しようと皆に声をかけますが、隔離された状況ではなかなか伝わらず。
フリーダはというと重警備に移されたことについて、これまでにない程の動揺を見せて、何かに怯えるかのように衰えて見えます。
そしてテイスティは、、交渉役として前に立っていたことが災いし、暴動の主導者として看守から様々な暴力を受けて弱り切っているのでした。
そんな彼女達は、ここである選択を迫られます。
それはFBIの取り調べでの取引。今回のピスカテラ殺害の捜査をすることになったFBIは、知事から最低2人は終身刑にしろというノルマを課せられます。
そこで、誰をスケープゴートにするか、それぞれ囚人達に証言させて早々に捜査を終わらせようと目論むのでした。
ここでやはり印象的なのがニッキーとレッドの関係。本当に、このふたりの関係は本物の母と娘ですね。家族の絆でなんとか乗り切ろうと周囲を励ますレッドですが、ニッキーには暴動中に薬局に立てこもったことで薬物を扱ったと見なされ、追加で数十年の刑期が言い渡されそうになります。それを回避するにはレッドが暴動のリーダーだと証言することが条件と言われ悩むニッキー。本当の親以上に自分のことを気にかけてくれるレッドを売るなんて出来ないという思いと、ここで証言しなければ死ぬまで刑務所から出られないという現実の間で揺れ動く彼女は、その現実をレッド自身に相談するのでした。

友情か保身か、善人か悪人か

シーズン6ではニッキーが直面したように、女囚達が選択を迫られるシーンが何度も出てきます。その中でも印象に残るのが暴動の首謀者として看守を虐待していたマリアと、特殊部隊がピスカテラを殺害した事実を目撃したシンディ。

マリアは散々看守たちをいじめ倒していたのに、最後の最後に自分の刑を軽くしてもらうために看守を逃したことで、他の囚人からも看守からも目の敵にされてしまいます。そんな彼女に降りかかる様々な悲劇と、ほんの少しの道標、そしてある人物の思い切った思いやりが、本当の彼女を呼び覚まします。このシーンがシーズン6のハイライトとも言うべき場面のひとつ。ため息の出るような彼女の選択に、きっと心が揺さぶられることでしょう。

そしてシンディは、ピスカテラ殺害の真実を知りながらも、「その真実を知ること=自分も殺される」と判断し、何も見ていないと嘘の証言をします。友達のテイスティはシーズン5の最後にプールにいた面々からピスカテラの殺害の容疑のスケープゴートのひとりにあげられます。嘘の証言を覆せばテイスティの裁判が有利に動くかもしれない。しかし、もしかしたら何も変わらないかもしれない。友情か保身か。シンディが真実を知っているということを知らないテイスティは「あんたは良い人間だよ」と言ってくれるけれど、自分がどんな人間か誰よりも分かっているため涙が止まらないシンディ。その苦悩の先に出した答えは、彼女たちの運命をどこに導くのか、ご注目ください。

昨日の敵は今日の友だって古い言葉があるけど・・・

シーズン6ではかつてパイパーの敵として現れたキャラクターが、いいやつになって登場すると言うケースがいくつか見られます。その最たるものがペンサタッキー。シーズン1でパイパーとやりあった彼女は、看守との恋を経て随分と人が変わりました。これまでツンしか見せなかったのに、恋に落ち、ブーと友達になり、急にデレを出してきた感じ。独自の価値観を持ち、唯我独尊的な性格だった彼女が、馴れ合うわけではないけれど、周囲に心を開き、パイパーのことを認めるところは、ベジータの「頑張れカカロット。お前がナンバーワンだ」を思い起こさせます。
一方、かつては家族のように親しい仲間だった関係も、重警備に入ったために敵同士になることも。Cブロックに入れられたニッキーは、同じく先にCに入れられていたローナとの再会を喜びますが、妊娠し赤ん坊をお腹に宿している彼女は赤ん坊を守ることを最優先に考えるためか、周囲の影響を受けやすい彼女の元々の性格のためか、Dブロックとの抗争に積極的に参加します。そしてDブロックにはかつてみんなの母親役だったレッドが入れられてしまうのです。レッドはレッドで、自分を見捨ててのうのうと安全地帯のフロリダでプリンを食べているフリーダに激怒し、彼女を敵対視する始末。かつては友達だったリッチフィールドの仲間達は、重警備という閉ざされた世界でギャングたちの勢力争いに巻き込まれていくのでした。

ギャング顔負け?アレックスが有能かつ格好良すぎて、株がうなぎのぼり!

一番のお気に入りのキャラクターはニッキー。それは変わることはありません。しかし、シーズン6にきて、アレックスが一気にお気に入りキャラランキングの上位に食い込んできました。
初登場時はパイパーを売って、彼女が刑務所に来ることの原因となったアレックス。そのしたたかさとミステリアスな魅力はあったけれど、何を考えているのかいまいちわからず、そこまで注目はしていませんでした。それがパイパーを再度裏切ってひとりで釈放された後、今度はパイパーに嵌められてリッチフィールドに戻ってきてからは、ヤクの売人の大元であるクブラに殺されるのではという恐怖に怯えたり、クブラの刺客として潜り込んだ看守を殺してからは共犯者のローリーの異常っぷりに怯えたりと、弱い部分を見せてくれました。そしてシーズン5では仲直りしたパイパーと晴れて婚約に至り、本当にお互いのことを愛し、信じ、大切に思い合うようになったのでした。
そんな彼女がシーズン6で見せてくれるのは、ウィットに富んだ会話と愛するパイパーのために起こす行動、そして、その辺のギャングなど屁でもない犯罪者としての有能ぶり。
パイパーと同じDブロックに入れられたアレックスは、パイパーとともに面倒ごとを避けて静かに刑期を過ごそうとします。しかしDブロックのいじめっ子バディソンが、何度もパイパーに嫌がらせをしてきます。
パイパーの残りの刑期は数ヶ月。それまで平穏無事に過ごしてほしいアレックスは、Dブロックのボス・キャロルに直談判に行きます。刑務所内への流通経路などで裏のビジネスの腕を見せたアレックスは、無能なくせに粋がるバディソンとの格の違いを見せつけ、キャロルの元で働く代わりにバディソンに手を引かせることを約束させます。このギャングの手下になってでも愛するパイパーを守ろうとする彼女、そしてギャングの手下になってもパイパーには変わらない笑顔を見せる彼女。もう、シーズン6の後半はアレックス祭りですわ。特に最終回の彼女の起こした行動は見ていて「やってくれたなー!」と思わずにいられないもの。

最終シーズンが配信され、彼女たちの刑務所での日々を見るのも最後!

2019年7月26日より、最終のシーズン7が配信されています。パイパーとアレックスのその後は?テイスティはどうなった?ニッキーは相変わらず?色々と気になることが盛りだくさんですが、とりあえず今はシーズン6をお楽しみください。

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